超臨界二酸化炭素を用いた
グリーンデカフェプロセス®の確立
日本にはデカフェコーヒー豆を製造する設備が無く、海外からの輸入品が100%を占めており、国内でのデカフェ処理を求める声が多くありました。
超臨界技術センターでは、美味しくフレッシュなデカフェコーヒーを日本中に届けるため、2016年に技術開発をスタートしました。全てのプロセスにおいて 有機溶媒(薬品)を使用せず、超臨界二酸化炭素と水のみの安心安全なデカフェ処理にこだわり、なおかつ、スペシャリティーコーヒーの素晴らしい風味を損なわない独自の処理方法を開発しました。このデカフェ技術は日本で初めて実用化され、今では緑茶や紅茶にも適用されて、多様な茶葉でデカフェの検討を進めています。
これらの特徴から弊社が開発した、安全・安心で環境に優しいカフェイン除去プロセスを「GREEN DECAF PROCESS®(グリーンデカフェプロセス)」と命名しました。このデカフェ技術は、分離技術会にて2020年に技術賞を受賞しました。
デカフェとは?
GREEN DECAF PROCESS®の特徴
- 薬品を一切使用せず、人と環境に優しい水と二酸化炭素のみでカフェインを除去
- 環境に配慮し、使用する二酸化炭素は工場内で循環し再利用
- 国内処理のためトレーサビリティが明確
- 既存品に比べデカフェ処理から納品までの輸送期間を短縮し、新鮮な状態で提供が可能
GREEN DECAF PROCESS®の流れ
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湿潤工程
カフェインを抽出しやすくするため、原料に水を加えます
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抽出工程
温度と圧力をかけて超臨界状態にした二酸化炭素を、原料に接触させ、カフェインを抽出します。その後、二酸化炭素からカフェインを除去し、二酸化炭素を再利用することで、環境負荷を抑えています。
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乾燥工程
最終工程として、デカフェ処理された原料をデカフェ前と同程度まで乾燥させます。
環境に配慮されたデカフェプロセスで安全安心を届ける
デカフェ処理に使用する二酸化炭素は、近隣の石油化学プラント等から排出されるものを食品添加物グレードに精製し有効活用しています。さらにデカフェ工場においても二酸化炭素を循環して使用するため、排出量は少なく、国際目標SDGsの意図に沿った環境に優しいプロセスとなっています。私たちはこれからも超臨界流体技術を最大限に活かし、すべての工程で一切妥協しない「本物のメイドインジャパン」を追求することで、安心・安全で質の高い商品を提供できるよう努めて参ります。
環境への取り組み
コーヒーデカフェ
超臨界技術を用いたコーヒー豆のデカフェ処理は1980年代から欧米で実用化されてきました。超臨界技術センターではこの技術をベースとして独自にプロセス開発を行い、スペシャリティーコーヒーの素晴らしい風味を損なわない独自の処理方法を確立しました。現在超臨界二酸化炭素抽出法を用いたデカフェ施設は世界的に見ても少なくなってきているため、希少価値の高いプロセスといえます。
コーヒーのデカフェプラン |
アイテム
| アラビカ種 ※ロブスタ種については試験対応となります(まずはご相談ください) |
最小ロット
| 7kg |
デカフェコーヒー豆の依頼から納品までの流れ

製造実績(コーヒー豆の原産国)
- 中南米
ブラジル/コロンビア/メキシコ/グァテマラ/ニカラグア/パナマ/ホンジュラス/エクアドル/キューバ/コスタリカ/ペルー/エルサルバドル
- アフリカ・中東
エチオピア/イエメン/タンザニア/ケニア/ルワンダ/コンゴ/ブルンジ
- アジア
インドネシア/ベトナム/ミャンマー/ラオス/東チモール/タイ
機能性コーヒーの紹介
クロロゲン酸類は、植物に広く含まれるポリフェノールの一種で、コーヒーにも多く含まれており、コーヒーポリフェノールとも呼ばれます。コーヒー由来クロロゲン酸類には、食後の血糖値の上昇をおだやかにする機能があることが報告されています。
GREEN DECAF PROCESS®(超臨界二酸化炭素抽出法)によるデカフェ処理では、カフェイン除去工程におけるクロロゲン酸類の減少がほとんどなく、また焙煎条件によってGREEN DECAF PROCESS®によるデカフェ豆の方が普通のコーヒー豆よりも、クロロゲン酸濃度が高まることが研究で明らかになりました。現在下記サイトより購入することができます。
楽天市場 グルメコーヒー専門店 Coffee Mail
コーヒーデカフェに関するよくある質問
- デカフェ処理されたコーヒー生豆・焙煎豆の購入はできますか?
- 現在、以下のサイトよりデカフェ処理したコーヒー生豆の購入が可能です。
https://sctc.official.ec/
- デカフェ処理の最小ロットはいくらですか?
- コーヒー生豆7kgとなります。
- 処理工程やスケジュールを教えてください
- プロセスの流れや、依頼から納品までの流れについては【GREEN DECAF PROCESS®の流れ】、【依頼から納品までの流れ】をご覧ください。
スケジュール感については、試験や試作の混み具合によっても異なります。まずはお気軽にご相談ください。
- 数種類のコーヒー生豆を同時に処理できますか?
- プレミックスされた複数種のコーヒー生豆の処理も可能ですが、生豆原産国やカフェイン含有量によって処理条件の調整が必要になりますので、まずはお気軽にご相談ください。
- 歩留まりはどれくらいですか?
- デカフェ加工による成分のロス(カフェインなど)に加え、適宜分析試料のサンプリングもございますので、歩留まりは90%程度となります。また原料と製品の含水率によっても、重量が変動します。
- ロブスタ種はデカフェ処理できますか?
- ロブスタ種については試験対応につき、料金は別途ご相談となります。試験実績はございます。
茶葉デカフェ
茶葉のデカフェ処理は、品種や茶葉の形状、大きさによっても
処理条件が大きく異なるため、
テーラーメイドの処理となります。
茶葉のデカフェプラン |
アイテム
| 日本茶(煎茶、荒茶、碾茶等) / 紅茶、和紅茶 |
-
プレ試作
・約1~3kgの茶葉を用いて、試験を行います
・デカフェの状況や風味の確認を行い、試作条件を検討します
-
試作
これまでの試作実績やプレ試作の検討結果を基に、処理条件を設定して試作を行います
-
製造
試作結果を基に、希望処理量に合わせて処理条件を調整し製造を行います。
試作・製造実績
荒茶 / 緑茶(煎茶、かぶせ茶) / 碾茶 / 紅茶、和紅茶
茶葉デカフェに関するよくある質問
- デカフェ処理された茶葉の購入はできますか?
- 現在、以下のサイトよりデカフェ処理した抹茶については購入が可能です。
https://sctc.official.ec/
その他茶葉に関しては、弊社設備で処理されたお客様のデカフェ製品のご紹介は可能です。お気軽にご相談ください。
- 試作とプレ試作の違いについて教えてください
- 茶葉の品種や形状、大きさによって処理条件が大きく異なるため、プレ試作として、幾つか処理条件を設定して試験を行います。デカフェの状況や風味の確認を行い、試作条件を決定します。プレ試作で良好な結果が得られれば、その条件にて試作を行います。
- デカフェ処理の最小ロットはいくらですか?
- プレ試作の場合茶葉1~3kg程度、試作の場合3~6kg程度となります。
- 処理工程やスケジュールを教えてください
- プロセスの流れについては、【GREEN DECAF PROCESS®の流れ】をご覧ください。
依頼から納品までの流れは、テーラーメイド処理のため別途ご案内申し上げます。
スケジュール感については、試験や試作の混み具合によっても異なります。まずはお気軽にご相談ください。
- 歩留まりはどれくらいですか?
- 抽出処理による成分のロス(カフェインなど)に加え、適宜分析試料のサンプリングもございますので、歩留まりは90%程度となります。また原料と製品の含水率によっても、重量が変動します。
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デカフェとは…
- カフェインとは
- コーヒーやお茶に多く含まれる成分で、覚醒作用、強心作用、脂肪燃焼作用、利尿作用など、様々な効果を有するため、医薬品や栄養ドリンク等にも広く使用されています。一方で、副作用として不眠やめまい、血圧や心拍数の上昇、妊娠中では胎児の発育阻害の可能性があり、大量摂取は身体への負担を高めることが報告されています。
- デカフェとは
- 飲料に含まれるカフェインを、特殊な方法で除去することです。コーヒーと同様に、カフェインを多く含むお茶や紅茶もデカフェ品が開発されています。
デカフェはこんな方に注目されています
既往のデカフェ技術
有機溶媒抽出法
- 1906年にドイツで開発
- ジクロロメタン、酢酸エチルを使用
- 安価なため世界のデカフェの80%を占める
- 消費者が安全面で不安を抱きやすい
- 日本では輸入が禁止されている
水処理法
- 1941年に開発
- 大量の水を使用するため環境負荷が大きい
- 処理時間が長い
- 日本国内での流通量が最も多いといわれる
液体二酸化炭素抽出法
- 抽出溶媒として二酸化炭素を使用
- 25℃、6MPa程度の条件で処理
- 比較的低温/低圧で処理するため、処理時間が長くなる
超臨界二酸化炭素抽出法
- 1974年にドイツで開発
- 抽出溶媒として二酸化炭素を使用
- 臨界点を超える31℃、7.3MPa以上の条件で処理
- 高圧ガスを使うため設備コストがかかる
- 処理時間が短く、風味もよいとされる